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千葉演習林所蔵写真帖画像データベース

本データベースでは、東京大学千葉演習林で所蔵している古い写真帖(写真集、アルバム)のスキャン画像を公開しています。
千葉演習林は1894年(明治27年)に創設された日本最古の大学演習林です。このデータベースは1908年(明治41年)頃の創設初期当時の千葉演習林や周辺地域の様子を知ることができる写真群、および1926年(大正15年)頃の各地の東京大学演習林の写真群等から成っており、重要かつ希少な一次資料です。


(1)千葉縣下演習林明治四十一年五月(全22点)


(2)第二千葉縣演習林寫眞帖(全48点)

(1)は1907年(明治40年)頃の写真を収めた写真集です。当時の浜尾新総長や松井直吉農科大学学長の千葉演習林視察の様子を中心にしたもので、本学として貴重な資料です。同時に、千葉演習林(当時は千葉縣下演習林などと呼ばれていました)の主要施設である清澄派出所(現在の清澄作業所)やその周辺地域、二タ間川に沿って新設された林道(現在の本沢林道)開設工事の様子、郷台道(現在の郷台林道付近)・郷台苗畑やその周辺の育苗や実習風景などを包括的に含んでおり、20世紀初頭の森林・農村景観の実相も伝える貴重な資料です。
(2)は(1)の続編と思われ、1911年(明治44年)までにかけて当時の千葉演習林各地の風景や実習の様子、清澄作業所および近隣の清澄寺や千葉演習林北西部(郷台管内)の森林、千葉演習林北東部(札郷管内)の造林地や運材の様子、清澄周辺の一般道(現在の県道市原天津小湊線)の開設間もないころの様子、隣接地域にある三石観音堂(三石寺)などの写真が収められています。


(3)千葉演習林所蔵写真集(無題・演習林備品№14)(34点)

この写真集には、大正後期(大正9~15年頃)に撮影された千葉演習林や愛知縣演習林(現在の生態水文学研究所)などの写真が収められています。
千葉演習林については、1924年(大正13年)度竣工の荒樫林道(現在の郷台林道)の写真や、1926年(大正15年)頃の清澄作業所の各施設、完成して間もない天津事務所や周辺の様子が収められています。
愛知演習林については、焼き物(陶器、磁器)用の陶土採土場の風景や、量水観測が継続されている穴の宮の作業所と堰堤、生態水文学研究所の新居試験地がある静岡県新居町の海岸など、現在に繋がる写真が収められています。
他にも、若干ですが、樺太演習林や朝鮮全羅南道演習林といった、東京帝国大学のいわゆる「外地演習林」の写真も含まれています。


(4)東京帝國大學農學部朝鮮全羅南道演習林經營拾五年記念寫眞帳(全37点)

朝鮮全羅南道演習林は、1911年(明治44年)に本多静六教授らが行った朝鮮中部および南部(邊山、莞島、智異山、金剛山等)の著名な森林の視察を通じて場所が選定され、1912年(明治45年、大正元年)に朝鮮総督府より80年の無料貸付を受けて本学所管となって設置された演習林ですが、1945年の終戦とともに廃止されました。
この写真集は全羅南道演習林の経営15年記念に作成されたもので、1914年(大正3年)に職員が派遣されて管理経営に着手してから1929年(昭和4年)頃までの各種の森林の様子や、植栽された樹種が記録されています。また、シイタケ栽培や木炭作り、量水観測などの様子も収められています。
なお、朝鮮全羅南道演習林は現在、ソウル国立大学南部演習林として運営されており、東京大学演習林との交流が続けられています。